2008年07月30日

WTO交渉決裂について

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080730-00000138-mai-bus_all

WTOのドーハラウンドは結局決裂に終ったようです。

工業品生産企業にとっては輸出先国で自動車などに
掛かる関税に頭を悩まし、一方輸入自由化品目からの
ネガティブリスト(重要品目)から除外されることを
恐れていた国内の農業生産者はひとまず胸をなでおろす…と。

性急に自由化を推し進めようとしたことでどこかに
無理が出てきたのでしょう。

自由化と一口に言っても、いい面と悪い面があります。

いい面といえば当然競争が促進され、サービスを
享受する消費者にしてみれば価格競争力の強い
外国製品が入ってくることで、支出を抑えることが
でき、またモノによっては品質と信頼性の高い
製品を手に入れることにもつながるでしょう。
進歩の基本は競争で、それを完全否定することは
不可能です。

一方悪い面ですが、最近ニュースでは悪い面の
方ばかり取り上げられているので片っ端から
挙げていってもキリがないのですが、
・所得の局在化を進める
・経済の原理によって各土地や各国の古くからの
 文化や生活習慣を破壊してしまう
などなど。
市場原理に任せっきりのアメリカは当然ながら
経済的に進歩をしてきたわけですが、当然ながら
所得格差の極めて大きい国になったとも言える
でしょう。
(雑談ですが、アメリカが今戦争している相手が
 イスラーム原理主義者としたら、アメリカは
 市場原理主義者ということができるかも
 しれません)


一方、競争原理によって、逆に例えば発展途上国など
の昔からの「持つ者と持たざるものの固定的な
経済格差」の解消なども期待できるのは事実
なのです。

しかし他方、国や土地によっては元々そういった
競争力がもともと無い所もあります。
歴史上宗教戦争などで他の国に蹂躙され
つづけてきた中東の一部の国や、ますます
砂漠が拡大しつづけているアフリカの諸国、
海水面上昇で国土が失われ様としている国等々。
(→国としての競争力で弱い)

さらには、欧米や日本といった先進諸国のように、
農業従業者とその他の人の所得格差問題によって
どうしても農業を保護する必要のある国など。
(→その国の国内で競争力が保てない農業)

そういった数々の「競争力格差」について、単純な
数字として何パーセント枠という形で規制を作る
のも、逆に外すのも、どちらもそもそも上手く
行かない原因なのではないでしょうか?

各国の、各産業別の競争力をある程度数値化
することができれば、それぞれについてどの程度
の市場開放/関税による保護を行うかの基礎資料
程度にはなるのではないかという気がします。

少なくとも、経済力に勝っている欧米諸国などが
先導して描いたシナリオどおりの出来レースでは
もはやどの国も納得行かないということなのかも
しれません。

日本の輸出産業が輸入国側の関税撤廃を求めると
すれば、先方の国における(競争力に欠ける)
製造業に大きな打撃を与えることにも当然ながら
繋がります。

工業製品を輸出するだけ輸出して、自国の米や野菜は
守りたいというのでは当然どの国も納得してはくれない
でしょう。

それらを両立させるような政策が現在の与党に
求められているはずなんですが…

経団連、日本医師会といった各種産業団体から
の圧力に弱く、本当の意味で安心して暮らせる
国よりも、そういう圧力団体の意見に左右される
政策にどうしても片寄ってしまっているような
気がします。

先進国の中でも例えばフランスとかは以外にも
農業立国として知られています。農業が成り立つ
ほどの競争力を持っているということなのでしょう。
途上国が「労働単価の安さ」で勝負しているとすれば、
フランスは「作業効率の高さ」で勝負しているとか。

日本の農産品が高いのは何故でしょう?効率的では
ないから?日本の労働単価が高いから?
どうもそうではないのではないかという気がします。

日本の農産品は安全で美味しくて質が高いという
点で海外では高級食材として充分な競争力を
持っていると、中国の餃子の一件来あちこちで
報じられています。

安全で安心で美味しいものをという食へのこだわり
に手間隙を掛けているということが割高感を
作り出しているような気がします。

逆に、美味しい、安全といった付加価値があるもの
と無いものをいっしょくたにして「単純に1kg
あたりの単価幾ら」と計算すれば、それは間違った
競争をしていることになりはしないでしょうか?

そして、そういう安全、美味ということ、特に
安全と言う部分に特化してもいいですが、その点に
関税を掛けることで安全保障を得るということは
出来ないものなのでしょうか?

競争は、「同じ条件」で行うから公平な勝負に
なるのであって、決して「ルールが同じ」だから
公平なのではありません。
最初から体力差やスタミナの差がある状態で
勝負をしても公平感にかける気がするのですが…。

「競争=善」と言い切ってしまえば、それは上述の
「市場原理主義者」のお題目にしかならないと
いう気がします。

日本の政治家のみなさんには、アメリカやヨーロッパ
などの言いなりになるだけでもなく、一方、アフリカ
諸国などの発展途上国へはODAなどによる経済協力
だけでなく公平な競争でお互いが発展していけるような
仕組み作りについて一緒に手を組んでいける方策を
考えていって欲しいと思います。

薄学な私の知識では少しくらい知恵を絞っても
具体案がポンポンと出てくるわけではありませんが…。

政治家の皆さん、是非頑張ってください。
posted by neko at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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